内科・消化器内科の診療内容と特徴
ポストコロナにおける内科診療について
新型コロナウイルス感染症が発生して3年間、我々の病院も発熱がある外来患者様の診療については、慎重な診療体制をとってきましたが、この度新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されることをうけ、今まで制限してきた発熱と呼吸器症状のある患者様の診療をかかりつけ以外の方でも再開いたします。
ただ、新型コロナウイルスの感染力が低下したとはいえず、引き続き院内での感染伝搬を予防していかなくてはなりません。
発熱や呼吸器症状のある患者様の診療を他の患者様と隔離して行うよう配慮し、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者様に対しては、個人防護具(マスク、フェイスシールド、ガウン)を着用し、検査や診療にあたります。
当院内科の診療内容と特徴
当院内科では高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にまつわる管理、コモンディジーズとよばれる頻度の高い内科疾患の診療に加え、消化器内科分野での専門的診療が可能です。また、急な体調不良でご来院いただいた患者様に対しても、院内で行う緊急血液検査やCTなどの画像診断による、迅速で的確な診断を目指しております。
現在、内科常勤医師2名と非常勤医師2名で、外来診療を担っておりますが、担当する医師の時間帯(午前・午後)や予約の要不要などで、患者様の幅広いニーズに対応できるように予定を組み込んでいます。
現在、内科常勤医師2名と非常勤医師2名で、外来診療を担っておりますが、担当する医師の時間帯(午前・午後)や予約の要不要などで、患者様の幅広いニーズに対応できるように予定を組み込んでいます。
また、循環器専門外来(札幌心臓血管クリニック)と呼吸器内科専門外来(札幌医大)を設けており、両分野での専門的な診療が可能です。主治医を固定したほうが、密度の濃い診療が受けられますが、担当医師が変わっても継続した診療は受けられます。
急な体調不良、お仕事の都合などで担当医師の時間帯に受診が難しい場合は、まずご来院ください。
消化器内科分野
- 消化管(胃・食道・大腸)
消化管疾患はCTや超音波などの画像検査で診断が難しく、内視鏡検査が必要となる場合が多くあります。当院では内視鏡専門医、もしくは内視鏡経験豊富な医師が検査にあたり、苦痛の少ない検査、詳細な観察による的確な診断を心がけていますので、安心して検査をお受けください。
また、治療内視鏡の実績も豊富です。大腸ポリープ、早期大腸癌や早期胃癌の内視鏡的切除(胃は内視鏡的粘膜下層剥離術)、吐血や下血に対する内視鏡的止血術、消化管内の異物除去(アニサキス、誤飲)、胃瘻造設、など基本的な内視鏡治療は、幅広く対応できます。患者様に必要な最新の医療の中で、当院で行うことが難しい治療や検査は、高次医療機関をご紹介しております。
胃食道逆流症や消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、感染性腸炎、大腸憩室関連疾患(憩室炎・憩室出血)、過敏性腸症候群などの一般的な消化管疾患に加え、炎症性腸疾患(IBD;潰瘍性大腸炎など)に対する診療も可能です。特定疾患(医療助成の対象となる指定難病)の申請から、生物学的製剤を含めた最新治療の提供などを行いますが、重症の場合は専門機関をご紹介させていただきます。
機能性消化管疾患も有病率が高く、内視鏡検査を含めた精密検査で異常がないにもかかわらず、腹痛や胸やけ、胃もたれ、便通異常などをきたします。非びらん性胃食道逆流症、機能性ディスペプジア、過敏性腸症候群などが代表的ですが、心理的ストレスが原因の多くを占める疾患であるため、薬物療法だけでなく、患者様が気がかりになっている問題にも向き合います。
- 肝・胆・膵
肝臓、胆道(胆のう・胆管)、膵臓領域の疾患は、直接内視鏡で観察できる消化管と異なり早期発見が難しい領域です。症状で発見されるケースが少なくありません。腹部超音波検査は害もなく、こういった領域の疾患を早期に検出できる可能性のある有用な検査です。当院では経験豊富な検査技師6人が検査を担当しております。CTは被爆の問題がありますが、さらに詳細な情報が得られる検査であるため、疾患の確定診断に有用です。当院は最新のマルチスライスCTを備えており、検査も短時間で終わりますし、画像を診察室の画面でお見せすることも可能です。
肝炎ウイルスによる慢性肝炎の治療はここ10年の間に劇的に進歩し、慢性C型肝炎は2か月、もしくは3か月の治療で完治させることができる時代となりました。ただ、画期的な薬剤であるがゆえに、その薬価の高さも一部メディアで取り上げられたほどです。我が国では、肝炎治療に対する医療助成を受けることができ、経済的な理由で治療が行われないことがないような仕組みが存在します。当院では慢性C型肝炎に対する診断、医療助成の申請書類作成、治療を一貫して行うことができます。慢性B型肝炎は、C型肝炎よりも前にウイルスの増殖を抑える薬剤が開発されましたが、長期にわたり内服を続けなければならない点でC型肝炎と異なります。ウイルス感染が肝細胞がんの発がんに関わっているとされ、慢性肝炎だけでなく、過去にウイルス感染の既往がある方、キャリアの方も定期的な腹部超音波検査、腹部造影CT検査や血液検査が必要です。当院ではこういった方のサーベイランス(対象をしぼって検査を行い、効率的にがんを早期発見すること)も積極的に行っております。
肝炎が進展し、肝硬変となった方の治療も行っております。ウイルス性肝炎やアルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪肝炎などの原因疾患を見極め、治癒させることは困難ですが、進展予防、症状の改善などを目標とし、生活習慣改善の指導や薬物療法を行います。
肝・胆・膵疾患に対する内視鏡治療は、黄疸に対するステント留置、胆管結石に対する採石術、食道静脈瘤に対する食道静脈瘤結紮術などを行うことができますが、疾患によっては超音波内視鏡検査を用いた診断や治療が必要となる場合もあり、その際には専門機関をご紹介させていただいております。
一般内科・総合内科分野
- 生活習慣病
高血圧、脂質異常症、糖尿病は有病率が高く、心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞、狭心症)のリスクとなるため、これらの管理は病気の予防の観点から非常に大事です。無症状であることがほとんどで、治療する意味を理解できず、通院の自己中断や内服の自己調整(自分勝手に飲んだり飲まなかったり)を行う方もおられますので、できる限り治療の目的、目標を丁寧に説明し、患者様が治療に参加できるようになるよう心がけています。
糖尿病は三大合併症(網膜症、腎症、神経症)の予防も重要ですので、眼科や、必要であれば腎臓内科との連携を行います。管理栄養士による食事療法の指導、インスリンやGLP1作動薬の自己注射手技や簡易自己血糖測定手技の指導、導入も外来で行っています。インスリン強化療法を行っていて頻回に血糖自己測定が必要な方には、FGMと呼ばれる、センサーを皮膚に取り付けて皮下の間質液中の血糖値を持続的にモニタリングする方法も導入しています。
- 消化管(胃・食道・大腸)
消化管疾患はCTや超音波などの画像検査で診断が難しく、内視鏡検査が必要となる場合が多くあります。当院では内視鏡専門医、もしくは内視鏡経験豊富な医師が検査にあたり、苦痛の少ない検査、詳細な観察による的確な診断を心がけていますので、安心して検査をお受けください。
また、治療内視鏡の実績も豊富です。大腸ポリープ、早期大腸癌や早期胃癌の内視鏡的切除 - 消化器がん
食道癌、胃癌、大腸癌、膵癌、肝癌、胆道癌が主な消化器領域のがんです。診断はほとんどの場合、当院で行うことが可能です。肝・胆・膵領域で一部診断が困難であれば、専門機関をご紹介しています。消化器内科で行う「がん治療」は、早期癌の内視鏡治療(胃の内視鏡的粘膜下層剥離術、大腸では内視鏡的粘膜切除術)と切除不能進行癌に対する化学療法、および緩和支持療法(苦痛症状を緩和させる、感染症や黄疸、食欲不振などの、がんによる合併症に対して可能な治療を提供する)にわけられます。小規模ではありますが、外来化学療法室を有しており、がん拠点病院への通院が困難な方への化学療法も行えます。また、緩和ケア専門病棟はありませんが、基本的な緩和ケアは「がん」以外の難治性良性疾患でも必要となるため、当院でも患者様に寄り添った終末期医療を提供することが可能です。
- コモンディジーズ
専門分野以外の疾患でも頻度の高い疾患は、内科医が診療にあたる必要があります。呼吸器領域の喘息や慢性閉塞性肺疾患、肺炎、循環器領域の心不全や心房細動、腎臓領域の慢性腎臓疾患、泌尿器領域の尿路感染症、前立腺肥大症や過活動膀胱、神経科領域のアルツハイマー型認知症、皮膚科領域の帯状疱疹などがそれにあたります。もちろん、診断や治療が困難な際には専門医をご紹介する場合もありますが、多くの疾患をかかえておられる患者様も少なくありません。ますます進む高齢化社会において、そういった患者様に対して総合的な視点で診療を行うことは、非常に大事なことであると考えています。 - 当科の医療に対する考え方
そもそも医療は何のためにあるのでしょうか?健康を維持することは、人々が「幸福」でいられることと密接に関係しています。自分や身近な人が病気にかかると、苦痛や不安を感じ、「幸福」な状態ではいられなくなるでしょう。もちろん、全ての病気を予防することも、全ての疾病を治癒させることも、現代の医学では不可能ですが、医学は日々進歩しており、予防できる病気、治癒できる疾病が増えていることは間違いありません。医療は、病気の予防や治療を通して、大切な人が少しでも長生きし、元気で明るくいられるためにあるのだと思います。医療は科学であり、医師は自分の経験だけでなく、科学的にその効果が実証されている方法で診断や治療を行う必要があります。毎年、世界中の医療者が多くの研究成果を発表し、いま行われている医療はそういった成果の蓄積により成り立っています。日本は国民皆保険制度があり、誰もが平等に医療を受ける権利があるため、我々は科学的根拠に基づいた最新の医療を提供し、いつでも患者様が最大限の利益を得られるよう努めていきたいと考えています。
禁煙外来
※現在、新規患者様の受付は都合により当面の間停止しております。
再開の際には改めてご案内致します。
再開の際には改めてご案内致します。